今日が最後の日みたいに生きる、毎日、デンマークで。

デンマークでの学生生活の日々の記録。

ヨーロッパ旅行 12日目 その2

オペラ座の駅に到着し、すごい毛皮のコートを着た『私これからオペラ見ますの』風、というかまんまのおば様の後をついて行く。

当日券売り場は、昨日の比にならない行列が出来てて、これダメかもな、と思った。
私が着いたのが立見席発売開始の10分前。立見席は開演80分前に発売開始。もっと早く来るんだった、普通に考えて。
隣のおばさんに、『私たち、チケット買えると思います?』と聞きたい不安な気持ち。
ボックスオフィスが開いてから20分位でチケットが買えた。
1階、2階、3階とあって、1階だけ売り切れ。迷ったけど2階の端より3階の真ん中を、と思い3階にした。3€!すごい。隣のおばさんも3階を買ってた。
3階に着くと、ネットで見た通りみんな場所取り用のスカーフを手摺に結びつけている。見たところ、中央は埋まってしまっている。ドドド素人の私は右往左往するだけで、幅を利かしているおばさんに『ここいいですか』とも聞けない。大人しく一番上のほぼ端っこへ。
舞台の半分は見えない位置だけど、それでも満足。
オペラ座だー。
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SATCでキャリーとビッグがオペラ見てたけど、自分が来るとこじゃないと思ってた。
靴をこのために買ったけど、その価値があった。
スニーカーで誰かに咎められることはないにせよ、自分の居心地が悪かった、きっと。

トイレではお掃除係のおばさんが待機してて、誰かが個室を出るとすぐに掃除をする徹底ぶり。
クロークに荷物を預けた時、こんな私にも優しかったお姉さん。
きっと私の旅の思い出のため、演出をしてくれたに違いない

すごい景色。
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向かいのボックス席の人、どんな生活してるのか想像してみる。
開演前のアナウンス、ドイツ語、英語、なぜか日本語だった、なぜ。

オーケストラの演奏が始まる。
素晴らしい、それだけで素晴らしい。
大晦日にこんなところにいて、幸せすぎる!
隣のイタリア人がノリノリ。
予習して来なかったからどんな話かわかんない。もちろんドイツ語。
そして、舞台も半分しか見えず最初は出演者の影しか見えなかった。
それでも、音楽とこの場の空気で十分楽しめそう。
途中、立見席にはないと思ってた英語字幕があることに気づくけど、オーケストラも見たいし、舞台も見なきゃで、ストーリーは諦めることにした。
みんな頻繁に爆笑してる。

晩餐会と舞踏会のシーンは華やかでドレスも綺麗。
花形の男性歌手の歌声に、素人の私でも、これはすごい、と思った直後、観客全体がオオオオオー!ってなったのには、鳥肌がたった。
遠くから見ていると、外国人の出演者も宝塚メイクの日本人とそんなに違わないんだな。

オーケストラのホルンのおじさんがかなり楽しげに演技をみていたり、ハープの音色の美しさとか、ピッコロとフルートを掛け持ちしてるおじさんとか、ホルンの男の人が頻繁に唾ぬきしてたり、見ていて飽きない。
観客席の様子も圧巻で、目に焼き付けておきたい。

第三幕は私側からは全く見えない位置で、コメディが進行していき、観客が終始大爆笑。
字幕見たけど、結構みんなわかりやすいことで笑ってた。
コメディの最中、オーケストラが完全にリラックスして、お茶の間かってくらいの光景の方が私はおもしろかったな。
そしてオチがあってのフィナーレ。
演じていた一人一人が幕の前でお辞儀。本当にいいもの見れたなーっていう満足感。

上演後、トイレでドレスを着替えている女性が結構いた。

カウントダウンまで1時間なので、外に出て市庁舎前広場に向かう。
全く寒くない!うれしくなる。一応、靴下に貼るホッカイロとヒートテック2枚重ねにはしていた。
花火の音と、人が集まって来る様子にわくわくする。
広場はすごいひと!
『コンニチハ、Japanese?』と話しかけられたり、すでに祭。
シャンパンとポテトを購入。よくシャンパンこぼさなかったな、っていうくらいひとがぎゅうぎゅう。
人の波に乗って、市庁舎の建物の正面に来られた。
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そしてカウントダウン!
0時を迎えて、花火がこれでもかってくらいに上がっている。
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そしてさすがウィーン、BGMがクラシック音楽。題名はわかんないけど、有名なやつ。
ばか騒ぎするひとはいなくて、お行儀のいい皆さんたち。
ステージではDJがクラブミュージックを流し始めた。

私は出店で小さなブタを購入して、道路の上の特設ステージのバイオリン演奏を聴く。
昼間、シュテファン広場で演奏していた人達だ。やっぱりスタイリッシュ。
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観客も盛り上がっている。
ウィーンの新年はあちこちに音楽が溢れている。
ここにいられることの非日常性と幸せをしみじみ噛み締めた。
演奏が終わって、パワフルなバイオリン奏者が『今年は昨年よりももっと良くなりますよ、絶対』という頼もしい言葉を発してくれた。
私も今幸せすぎるけど、これが続くようにだってできるはず!

司会の人が、『世界一美しい街ウィーンへ来ているインターナショナルゲスト、どこから来ましたかー?』って聞いてて、ヨーロッパ中、アジア、アメリカ、南米まで、本当にたくさんの国から。すごい。
ステージではまた別のオーケストラがクラシックを演奏して、それに合わせて踊っているみんな。舞踏会みたいになってる。さすが。

お腹が空いているのでホットドッグの屋台へ。
『ごめんね、パンがないからソーセージだけだけど、いい?ちょっとおまけしといたから』(ドイツ語だったため想像)と満面の笑みでおつりを握らせてくれたおじさんが愛嬌がありすぎて、いい一年の始まりを感じた。
食べながら中心地へ向かって歩いている途中、ハッピーニューイヤー!と若い子に春巻きをもらったり、すれ違いざまにハッピーニューイヤーって言われて、新年特有のこの雰囲気が楽しかった。
でもあまりにもからまれることが多かったので、人と目を合わせないように移動。
1時半近いのに、路上では音楽に合わせてみんなで合唱してて、いい雰囲気だった。
駅に向かう人に着いて行くけど、爆竹がなってたりとか、途中ちょっと緊張した。

無事ホステルへ到着。

世界中のスリが集まって来ている(スリに聞いたの?)、というネットの情報にびびりつつ、何事もなく楽しく新年を迎えられてほっとした。宿無しとかスリの心配とか、この大みそかが間違いなく今回の旅行の山場だったから。初海外での年越し、ウィーンだったからより特別な思い出になった。

かかった費用
オペラチケット:3€
シャンパン:4.5€
ポテト:3.5€
ブタ:0.5€
ソーセージ:4.5€