今日が最後の日みたいに生きる、毎日、デンマークで。

デンマークでの学生生活の日々の記録。

年長さんお泊り

小学校入学は夏休み以降だけど、4月から年長さんは小学校の校庭に通うことになるらしく、もうすぐお別れ。
先週の木曜日に、その年長さんが幼稚園にお泊りする行事があるということで、来ていいよと言ってもらう。
夕方まで4歳以下の子達と遊び、一旦帰る。
帰り際、『次いつ来るの』とある男の子が聞いてくれて、『火曜日に来るよ』と答えると、『火曜日ね!待ってるから!』と玄関まで送ってくれた。ドアのガラスからずっと見送ってくれて、振り返ってもまだいるから、なんじゃこの可愛さは!と地団駄踏みたくなった。うれしいなあ。

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18時半に幼稚園に行くと、ミートソースパスタの夕食を食べ終えたところ。明日の朝用に、男の先生がパンを焼いている。
子供達はいつもよりかなりテンションが高めで走り回っている。
『ハイ、⚪︎⚪︎!』と名前を呼んで挨拶してくれたり、抱きついて来たり、ホントうれしいです。
1人の女の子が寄ってきて、抱っこしてきた。私のユニクロのウルトラライトダウンの手触りが好きらしく、話しながらめっちゃ触ってくる。この手触り、子供に人気。
いつもよりべったりしてくるから、お泊りがちょっと心細いのか。
『私の寝袋見る?』って言われてついていくと、お人形さんを持って来てた。すっごい長い名前で、2回聞いたけど覚えられず。。。
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みーんな思い思いのぬいぐるみを持参してるのが、すごくかわいい。それを持って来させる先生達もいいな。
デザートのアイスを食べるため、みんなまたテーブルにつく。チョコアイスと、イチゴアイス。どっちがいいか手を挙げる子供達のお皿に盛り付けていく。私が心の中で“餌付けタイム”と呼んでいるこのひとときは、親鳥になったようで幸せな気分。

それから、すでに真っ暗な中、各自持参した懐中電灯を持って園庭に飛び出す子供達。興奮MAXでライトを振り回して走り回る。
先生が『今日は良く眠れるだろうね』って言ったけど、ホントそうだ。
みんな集合して、2列になって夜のハイキングへ。
ものっすごく星がきれい!
昨日の夜は星空がきれいすぎて、1人で海岸で天体観測してた。流星も見れた。

森に入って、先生の指示でライト消す。星座の説明をしてくれたり、『シーッ!動物の鳴き声が聞こえるかも。』と森の幼稚園ならでは。
さっき抱きついて来た女の子が、『⚪︎⚪︎⚪︎(私の名前※この子の名前の呼び方がすごく可愛くて大好きー!)、私ね、怖いの。』って小さい声で言って、手を繋いで来た。。。
『大丈夫だよ、ここにいるからね』って言って一緒に歩く。星空の下、小さい手をひいて歩きながら、ものすごく愛おしい気持ちになって、泣きそうになった。そして、『あー!子育てしたい!』とちょっとずれたことを思った。小さい命を守りながら、一緒にきれいなものを見る、それはそれは素晴らしいことなんじゃないか。飛躍したけど、そういうことを感じたのはその小さい女の子のおかげ。
あと数回しか会えないな。
どういう風に大きくなるんだろう。
私のこと忘れちゃうんだろうな。ちょっとでも覚えてて欲しいな。

幼稚園の先生は、毎年これを繰り返してるんだ。

幼稚園に戻り、絵本読み聞かせ。
ソファの前に集まる子供達。
先生があめやグミの入った皿を持って、子供達が2個ずつ取って行く。
ラクリスが人気すぎておもしろい!

お話が終わって、この後は着替えて歯磨きをしてそして『必ずトイレに行くこと!出なくてもとりあえず行くこと。⚪︎⚪︎先生が全員行ったかトイレでチェックするからね!』って万国共通のやつ。
おもしろかったのが、みんなで一斉に部屋を出るんじゃなくて、先生が『女の子で、その子のお父さんはいつも迎えに来た時⚪︎⚪︎している、その子は行っていいよ。』と言って、該当する子が部屋を出て行くっていうやり方。確かに、洗面所とかが混雑しなくていい。何より盛り上がってた。
いっしょに泊まりたい気持ちもありつつ、幼稚園を後にする。

毎日、一個一個がすごくいい経験になっている。
幼稚園から部屋に戻る時は、いつもすがすがしいようなほっこりしたような感情で胸がいっぱい。




同僚になりたい

第2部の食事会は、18時半から開始。
テーブルセッティングがかわいいけど、彼らにとっては何の気負いもない日常の一部なんだと伺える。
これもヒュゲリのため。
そして、ランプはルイス・ポールセン。あたりまえのようにそこにある、ここは幼稚園。

インド料理のケータリングで、カレーやタンドリーチキン。本格的な味でおいしかった。ワインとビールもある。
目の前にデンマーク人の大人がたくさん座ってて緊張するけど、光栄だなー。
先生達は、子供達や保護者の話をしたり、幼稚園の移動後の新しい名前について意見を言い合っていた。
一人の先生が日本について興味を持って色々聞いてくれた。日本語で名前を書くと『お絵描き』みたい!と言って驚かれる。デンマークに来て何度も説明した、漢字、平仮名、片仮名の使い分け。デンマーク語で言おうと思うとさらに難しい。
日本語でこれは何て言うの?と聞かれ、私に続いて日本語を発音する先生。当たり前だけど、全然出来てなくて可笑しい。言語ってちゃんと喋れると一人前に見えるのに、たどたどしいといきなり目下に思えてしまうのは私だけ?だからちゃんと言語を喋れるということは大事だと思うわけです。一人前として扱われるために。
もう一人の先生は、どうしてデンマークに来たの?これからどうするの?と聞いてくれて、私の答えの文法や発音の間違いを訂正してくれた。これってすごくありがたいこと。みんな面倒くさかったり気が引けるのか、なかなか訂正してくれないけど。先生達はさすが人を育てる仕事をしてるからか、そこは本当の意味で私のためになることをしてくれたと思う。最終的には、“お婿さん探してあげるわよ”というところに行き着いた。。。

デザートのアイスを食べながら、ムハンマドの風刺画について、教育の場でどう扱うかという議論をする先生たち。白熱していた。デンマーク人同士でももちろん意見が違うし、それを聞けるのが興味深かった。
あとは、来たるエイプリルフールに保護者向けに考えられた、政治的ブラックジョークが面白かった。日本にもエイプリルフールがあるというと、ものすごくびっくりされた。

とにかく、この場に混ぜてもらえたことが本当に嬉しくて、一瞬一瞬を記憶にとどめたいようなひとときだった。招待してくれてありがとうございましたというと、『私たちの一員なんだから、当たり前よ。』と言ってくれた。。。
いつもは子供達がいて、彼らを交えてコミュニケーションをするけど、今日は大人だけ。先生達もいつもとちょっと違った。ゆっくり話して少し距離が近くなったんじゃないかと感じる。
この人達と、スムーズにコミュニケーションが取れて、私がどんな人間か表現できるようになるのを夢見る。
あー、同僚になりたいな。
もちろん一緒に働くと、いろんなものが見えて、いいところばかりじゃないのはわかる。
それも覚悟の上で、ここの幼稚園で働きたいと思う。


劣等感

昨日は、幼稚園の先生方の行事に参加させてもらった。
園児のおじいさんである元市長さんが、幼稚園の位置する国立公園とこの地域一帯の歴史について詳しいということで、そのお話を聞くということ。終わったら幼稚園で“クリスマスディナー”。
デンマークではクリスマス休暇の前に、同僚と食事をする“ユールフォーコスト(クリスマスランチ)”(※ランチと銘打ってはいるけど、だいたい夜に集まっている模様。)がとても有名。
もちろんクリスマスではないけど、昨年のクリスマスにやっていなかったということで、今回やることになったみたい。 
とにかく、呼んでもらえて光栄なことにかわりはない。

12時すぎに集合して、みんなで森の中を歩いて、元市長さんとの待ち合わせ場所へ。
ホームステイをしながら、幼稚園でボランティアをしているドイツの女の子達がいるんだけど、デンマーク語の習得スピードがハンパない。同じ時期にデンマークにきているのに。。。ドイツ語とデンマーク語は似てるから、ってみんな言ってくれますが、そこまで似てません。
だからこの子達と話す時、すごく緊張というか、弱気になってしまう。
どうやって勉強してるかとか、いつから先生や園児が言うことがわかるようになったか、など聞いてみた。吸収力とか、才能・センスの部分もあるんだろうな。私も好きこそ物の上手なれで、決して語学習得が下手な方ではないと信じたいけど、現時点で彼女たちとは雲泥の差。

途中、5月に新しい建物に移動するこの幼稚園の、建築予定場所に寄る。まだ完全なる空き地。ロープで囲ってある場所で設計図を見ながら『ここが入り口で』とか話すのは、とても夢がある。

元市長さんと合流し、説明スタート。
おおお。
自分がどんくらい理解できるか試すくらいの気持ちで来たけど、やっぱり厳しい。
いくつか聞き取れる単語を頼りに、あとは推測推測の世界。
移動中先生達が、『わかる?』って聞いてくれるけど、『難しいです。わかる単語がいくつかあるので推測してます。でも聞くだけで、トレーニングになるかなと思います。』と答えること計6回。みんな同じ事聞いてくれるからね。気にかけてもらってありがたい。一方で、ドイツ人の子たちはわかってるんだろうな、と思うと悲しくなった。
森の中を歩きながら、300年前の話とかを聞く。
元は高校の歴史の先生だったという元市長さん。

途中先生の1人と歴史の話に。『歴史は好きだけど、日本史を選択したから、世界史がわからないことを後悔している』というと、『日本の歴史しか勉強しないの?』と聞かれて、高校時代のことしか頭になかったから、一旦、『そうです』と答えてしまった。けれどそれじゃ語弊があるなと気づいて、『小中学校で大まかな世界の歴史と日本の歴史を勉強して、それからどっちを深く勉強するか選んだ』と訂正した。もし自分の国の歴史しか教えてない国だと思われたらそれはまずい。歴史柄。

元市長さんの話は、最初集中力で語彙力の無さをカバーしていたものの、2時間も聞いていると完全に頭がショートしそうになってきた。
幼稚園に戻って、事務員の方が焼いたというケーキと、男の先生が生地を持ってきて幼稚園で焼いた焼き立てパンでお茶。とても自然に行われるこれらのこと、すてきだわー。
このハーブティーおいしいな!と思うとラクリスティーだった。初ラクリスティー、すごく好きな味だった。
そこからまた、今度はスライドショーを用いて1時間強お話を聞く。
これを全て理解できるようになるには、どれくらいかかるんだろうと思うけど、答えは分からず。
もちろん初期に比べれば、格段に語彙だって増えている。でも、『0からここまでになった』とは到底思えない心理。焦りというか、なんなんだろう。

最高の休日

学校を辞めちゃった先生が、お家に招待してくれた。
車で迎えに来てくれて、途中スーパーに寄って買い出し。

『キャンドルが6本必要なの。あなたが好きな色選んでくれる?』とか、かわいい指令を下してくれるところ、ほんとニクいわー!

先生のお家は、私が憧れてる街にあり、しかも立地もすごく良かった。

家の中、とってもおしゃれだった。理想すぎた。
かわいい小さい薪ストーブ。
おばあさんから譲り受けたっていう古いタンス。
白い建具。
無垢っぽいフローリング。
自分達で作ったっていうキッチン。
明るい寝室。

部屋中写真に撮りたかった。

先生が素敵に暮らしてる人だってなんとなくわかってたけど、想像以上。

一緒にケーキを作ろうと言ってくれて、なんと2種類のケーキとチョコクッキーを作るということ。
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おしゃれなキッチンは、先生が黒板塗料を塗ったらしい。
“なんということでしょう!”

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洋ナシとアーモンドのタルトの途中過程。
自分の手際の悪さが哀しかったけど、フルーツを切ったり、生地をこねたり。
作るのが上の空になるくらい、先生とたくさん喋った。
私を一人の大人として本音で話してくれてるのを感じて、すごく嬉しかった。
私のデンマーク語をわかってくれるから緊張しないで話せるし、わかんなかったらすぐ聞けるし、デンマーク語の勉強としても充実した時間だった。
文法が間違ってても、発音が違っててもわかってくれる懐の大きさ、あたたかな想像力は学校の先生ならでは。

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日が落ちてきたころやっと完成。
生クリームたっぷり、ラズベリージャムが挟んであるデンマークの典型的なケーキとココアも。

イケメンのだんなさんが出してくれたナプキンも、ターコイズブルーでおしゃれ。

先生曰く、タルトは焼きが足りなく、クッキーは固かったらしい。
十分おいしかったけど。
助手が私だったのが申し訳なかった。

先生のプライベートの話を聞いたり、文法の質問に答えてもらったり、なんか夢の様な時間だった。
『あれ、私、デンマークの家庭にお邪魔して、この素敵な人たちとデンマーク語でしゃべってるな、ここどこ?』という感覚におちいった。

大好きな先生だけど、女性として、人間としても本当に大好きだ!
友達か子供になりたいよー!

お土産で持っていったTOCCAクレオパトラの洗剤を喜んでくれて、匂いをかいで小さくジャンプしててかわいかった。

帰ってきてお礼のメールに『いい夢見れそうです』って書いたら、
『一晩中、夢の中でケーキが上手く焼けるといいね』って返事をくれた。

ケーキもクッキーもたくさんお土産にもらってしあわせだけど、太るだろうな。。。

至福

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日本から送ってもらったカップしることほうじ茶で土曜日のおやつタイム。
あんこってこんなにおいしかったかと驚く。
見直しました。
あんこ欲が高まり、豆塩大福を追加リクエストした。
週明けに届くのが楽しみすぎる。

美術の時間に羊毛フェルトで作ったカップフォルダー。
春っぽい色を選んでみた。桜もちみたいなグラデーションでとても気に入っている。
ウールに石鹸をかけて、まきすで巻いてひたすらこすると、繊維が絡まってフェルトになる。
簡単だし、かわいくできるからプレゼントにもいいし、趣味にしたいと思うくらい。

デンマークでも暦の上では明日から春らしい。
冬、短かったなー。
小鳥のさえずりも、あたたかい日差しにも、春を感じる。
わくわくする!

supernova

最近、バンプ熱が出ている。デンマークで日本の曲を。。。
就活の時、ロストマン聴いて圧迫面接帰りの電車で泣いた過去。。。

今聴いても、sailing dayとかものすごく元気づけられる。
“たった一秒生きるためにいつだって命がけあたりまえだ”とか、日記に書き写したけど。。。青春?
しばらく注目してなかった間にも、いい曲がたくさん世に出ていた。
rayとか、虹を待つ人、HAPPYが特に好き。
歌詞がやっぱり素敵。
優しいし、少年みたいだし、背中を押される感じがする。

そして、ホルモンバランス最悪で体調悪い時supernova聴いて、
『熱が出たりすると気付くんだ 僕には体があるってこと』に激しく同調。あるある。

YouTubeで、藤原さんがsupernovaについて話しているラジオがあって、私の最近のテーマにピッタリすぎたため、文字起こしした。。。

かいつまむと

『supernova(超新星)は、星が終わる時にものすごい光量を放つ現象。
最後の最後で太陽の輝きを超えられる。
星によっては超新星の輝きが始まってやっと僕らに認知されるものもある。
超新星の爆発は何億年も前のものであって、今はとっくにない。
あんなところにあんな綺麗な星がある。やっと気付いたのに同時間軸には存在してない。
この友達大事だなって何回も噛み締めたはずなのに、本当に大事なことってその友達がどこか行ってしまったとかでやっとわかる。
後になって超新星として認識する。
だけど、死ぬ時、お別れした時が超新星なんじゃなくて、生まれた時、出会った時が超新星の始まりなんじゃないか。
平凡に見えたって、そこらへんにたくさんある星に見えたって、必ず超新星であることに間違いない。』

素晴らしい。わかりやすいし、最近考えていることを上手く言葉にしてくれている!と感動した。
しかもこれを子供の時に気付いたらしい。

そして藤原さんの『今』についての考え方。

『今を手掴みで掴もうとしている感じ。
大事な思い出もあるけど、そういうのを思い出しながら生きていったら、思い出しながらの今しか残らない。
未来に希望を馳せるのも素敵なことだけど、先のことを考えて生きていくのも先のことを考えた今になっちゃって。
今のことを考えた今じゃなきゃやだなというのがある。
今のことを考えた今が思い出になっていくんだったら、それが一番嬉しい。
そういう未来が待っているのが嬉しい。』
『僕は限界とか終わりとかそういうものがあるものを一番信用できる。
僕には限界がある。それがすごく誇らしいこと。
限界まで自分の出来ることを色々工夫して、何だってやってやろうと思う。
終わりがあるから終わりまでを一生懸命やろうと思うんだし、
限界があるから限界いっぱいを精一杯使おうと思う。
みんながみんな自分の限界をわかって、自分の内容量を知ってて、出来ることを100%生かして生きようと、みんながみんな努力してる世界だと思ってる。』

根本に少年らしさがある気がして、その純粋さのためかすんなり入ってくる。
本当にこれ、私が毎日忘れたくないことがこれ。

でも、取り組んでみて改めて感じるけど、今を大切にするって、本当に難しい。
毎瞬間断念している。
24時間の中で、本当に大切にできた瞬間て合計何分だろうか。真剣に10分くらいだと思う。

でも忘れても、また思い出すことができるなら全然違うはず。
毎朝心に決めるだけで、違うと思っている。

インタビュー聞いてまた曲を噛み締めながら聴く。



en pakke

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辞めてしまった先生から、今日小包が届いた。
送り主がイニシャルになってたけど、字で先生からだってすぐにわかった。

中身はアンデルセンの童話集。
私のために考えて選んでくれただけで感動なのに、内容も粋。
そして、添えられていたカードにはメッセージの他に、“アンデルセンを読みながらよく食べられている典型的なおかし”のレシピまで書いてあった。
。。。粋!

こういう女性になりたいと思う、心から。

デンマーク語でアンデルセンを読みたい、っていうキレイ事がデンマークに来た理由ではない。
けれど、時が来た、ということだと思う。
辞めてもなお、私に学ぶ機会を与えてくれる先生。さいこう。